健康維持やパフォーマンスアップのためには栄養のことを考えることは必須だと思います。
ではどのような食事を取れば健康維持やパフォーマンスアップに繋がるのでしょうか?
このような疑問を解決できるようにこれから考察していきたいと思います。
エネルギー消費量について
食事をすることで得られるエネルギーと基礎代謝や運動で消費されるエネルギーの関係性はとても重要になってきます。
エネルギー摂取量が多く、消費量が少ないと体重が増加しますし、
逆に消費量が摂取量を上回れば、体重は減少していきます。
それぞれの目的に応じて摂取と消費のバランスを考えていく必要がありますね。
摂取と消費を考える上で必要になってくるのが「カロリー」になります。
そもそもカロリーとはなんでしょうか?
カロリーとは
カロリーとは「1gの水の温度を標準大気圧下で1℃(14.5℃から1℃)上昇させるのに必要な熱量」と定義されています。
つまり、1Lの水を1℃上昇させるのに必要な熱量となります。
1,000kcalのステーキを食べれば1,000Lの水を1℃上昇させる・100Lの水を10℃あげるエネルギー量ということになります。
こう考えるとかなりのエネルギー量になりますね。
ではエネルギー消費はどのように考えることができるのでしょうか?
人は呼吸により摂取した酸素と食事から摂取した糖と脂肪を反応させて、
エネルギーを作り出しています。
つまり、体内に取り込まれた酸素の量がわかればどれだけのエネルギーが消費されたかの推測がわかるということです。

化学式でわかるように
糖質で酸素1Lあたり5.10kcalのエネルギー消費
脂質で酸素1Lあたり4.62kcalのエネルギー消費
が推測することができます。
そして、次に考えなければならないことが、最大酸素摂取量(V.O2max)です。
最大酸素摂取量
最大酸素摂取量とは、人が体内に取り込むことのできる酸素の1分間あたりの最大量です。
一般男性だと、毎分体重1kgあたり、40-50mLの酸素を取り込むことができると言われています。
そのため、一般男性が1,000kcalのカツカレーを食べた時、
そのエネルギーをジョギング(50%V.O2max)で消費しようとした場合は…
40-50mL x 0.5 x 60kg = 1500mL/min= 1.5L/min (ジョギング中の酸素摂取量)
1.5 x 5kcal (酸素1Lあたりのエネルギー消費量)=7.5kcal/min
1,000kcal ÷7.5 = 133分(カツカレー分を消費するためのジョギングの時間)
つまり、カツカレーで摂取したエネルギーをジョギングで消費するためには
約2時間弱必要になるということです。
そう考えるとなかなか大変ですね。
しかし、毎日運動しなくても体重はそこまで変化しませんよね。
当然のことながら、
人は運動以外でもエネルギーを消費しています。
1. 基礎代謝(安静時エネルギー代謝):60%
生命維持に必要な最低限のエネルギー消費量
2. 食事誘発性熱産生:10%
食事摂取後の数時間にわたりエネルギー消費量が亢進すること
3. 活動時代謝量:30%
運動・労働などの生活活動のよるエネルギー消費
今回はこの3つのエネルギー消費を詳しく見ていきましょう。
3つのエネルギー消費
1. 基礎代謝(Basal Metabolic Rate, BMR)
基礎代謝とは生命維持のために使用されるエネルギー消費のことで、
呼吸・心臓の拍動・体温維持などが挙げられます。
基礎代謝量の主な利用先は体温調節であり、身体の大きな人ほど基礎代謝量が多くなります。
また、基礎代謝の割合の多くは骨格筋であり、
運動不足などで骨格筋の量が減れば、
全体の基礎代謝量も減り、エネルギー過多、
そして肥満へと繋がる可能性もあります。(他の要素も多いですが)
2. 食事誘発性熱産生
食事後に身体が温かくなる、特に辛いものを食べた後に汗が吹き出した経験はあると思います。
この食事を摂取したときに見られるエネルギー消費の増加を食事誘発性熱産生という。
この二つの要因は噛むこと・消化・吸収が大きく関わっています。
噛むという行為は交感神経活動を活性化する刺激であり、熱産生とエネルギー消費が高まります。
生理学的には、噛むことでアミノ酸のヒスチジンからヒスタミンが作られ、視床下部のヒスタミンニューロンが刺激されます。
それにより、交感神経と褐色脂肪細胞が活性化され、熱産生が生じます。
そのため、よく母に言われていた「よく噛んでから食べなさい」は理にかなっていたということですね。
消化・吸収でいうと、三大栄養素の中のタンパク質を消化・吸収するとき最も多くのエネルギー消費が起こります。
そのため、単純ではありますが、タンパク質の割合を増やした方がエネルギー消費量が増えるため、肥満予防に繋がる可能性はありますね。
3. 活動代謝量
活動代謝量を正確に測るためにはかなり高度な設備が必要になるため、
その内容は割愛しましょう。
最も簡易的な測定の方法としてMETsという指標を用いることでエネルギー消費量を推定することができます。
1METsが安静状態のエネルギー消費量(3.5mL/kg/分)であり、この1METsを基準にそれぞれの運動の指標が決められています。
歩行だと4METs・ジョギングだと7METsなどが挙げられます。
厚生労働省のページにも指標があったので、載せておきます。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/11/s1109-5g.html
まとめ
栄養を考える上でエネルギーの摂取と消費を考えることは非常に大切なことです。
もちろん、摂取と消費だけに着目するだけではなく、
それぞれの栄養素などにも着目して食事を考えていく必要があります。
参考文献
寺田新 (2017) 『スポーツ栄養学』東京大学出版会



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