エネルギー消費

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Nutrition

エネルギー消費とは

人は何かをするためにはエネルギーが必要です。
動く、考えるなど生きるために必要なものがエネルギーです。
しかし、体重を増やしたい・減らしたいと思う時にはこのエネルギー量を管理することが必要です。

単純な話、消費するエネルギーより摂取するエネルギーの方が多ければ体重は減っていきませんよね。
どれだけ激しい運動を行い、消費エネルギーを多くしたとしても
毎日それ以上の食事をしていればいつまで経っても体重は減らないというわけです。
逆も然りで、体重を増やしたいアスリートも練習で消費するエネルギー以下の食事しか摂取できなければ体重は増えません。
ましてや筋量や基礎代謝の高いアスリートが体重を増やしたいのであれば、
より多くのエネルギー摂取が必要になるわけです。
糖質・タンパク質・脂質の”質”はもちろんのこと大切ですが、
“絶対量”ももちろん大切になってくるわけです。

そして、今回のテーマである”エネルギー摂取“ですが、
今回のキーポイントとなるのが、“食欲”です。

食欲について

基本的に人間は体内で不足している栄養素やエネルギーを感知して、
それを補うための恒常性維持に関わる摂食があります。
「お腹が減った」と感じるのは体内で必要な栄養素やエネルギーが不足しているからそう感じるということです。
しかし、人間には「美味しさ」という報酬を得るために食べる嗜好性に基づく摂食も存在し、必要なエネルギー以上の摂取を行うようにもなっています。

今回は恒常性維持に関わる摂食について書いていきたいと思います。
この機構で重要な役割を担っているのが脳の視床下部の外側野に存在する摂食中枢と呼ばれている部分です。
この摂食中枢は全身のエネルギー状態を感知しています。
その代表的な因子はグルコースと脂肪酸であり、
グルコースによって抑制され、脂肪酸によって活性化されます。
空腹時には血中のグルコース(血糖)が低下し、血中の脂肪酸濃度が増加することで摂食行動のスイッチが入ることになります。

これとは反対に摂食行動にストップをかける満腹中枢も存在しています。
満腹中枢は摂食中枢とは逆にグルコースによって活性化し、
脂肪酸によって抑制されるニューロンが存在しています。
つまり、食事によって血糖値が上昇し、脂肪酸濃度がすると満腹中枢は活性するということになります。

これ以外にも食欲の調整に関わる因子として、
小腸で分泌されるホルモン(コレシストキニン・グルカゴン様ペプチド-1・ペプチドYYなど)は求心性迷走神経線維の受容体に結合し、脳幹、腹側被蓋野、視床下部に対して摂食行動を抑えるように働きます。
小腸の状態が悪くなることでこのホルモンの分泌が阻害され、
摂食行動を抑えられなくなる可能性もありそうですね。

一方、胃から緩みを感知して、グレリンというホルモンが分泌され、摂食行動を強力に促す作用があります。これがお腹が減ったということにつながります。
逆に言えば、胃を緩みにくくすることで摂食行動を抑制することもできそうです。(胃バイパス手術的な?)

さまざまな因子がある中で、
より長期的な摂食の調整を担っている物質があります。
それが“レプチン”です。

レプチン

レプチンは脂肪から血中に分泌されるアディポサイトカインであり、減量などで脂肪細胞が小さくなると分泌量が減ります。
逆に、肥満に伴い、脂肪細胞が肥大すると分泌量が増えます。
このレプチンがどのように摂食に関わっているかというと、
レプチンは、主に視床下部の弓状核に作用し、食欲を低下させます。
しかし、ここで一つの疑問が生じますよね?

えっ?肥満(脂肪細胞の多い)の人ほどレプチンが分泌されて食欲を低下させるんじゃない?と…
ここで大きな落とし穴があるのです。
それが「レプチン抵抗性」です。
肥満者は脂肪細胞の肥大に伴い、レプチンが多く分泌され、
血中濃度も高くなっている。(しかし、肥満者の食欲は低下していない)
つまり、レプチンの食欲低下作用が機能していないということです。
このような状態を「レプチン抵抗性」と呼び、肥満が進行する原因の一つと考えられている。
この状態を引き起こす要因として考えれらているのが、
脂質の過剰摂取などによる視床下部の弓状核の慢性炎症です。

そのため、脂質の過剰摂取には注意が必要ですね。

またもう一つ注意する点があります。
それは「早食い」です。

早食いはどうなのか?

早食いと大きく関係しているのはもちろん血糖値です。
早食いをしてしまうと、血糖値が上昇する前、さらに満腹感が生じる前に食べ過ぎてしまいます。
また早食いは消化管ホルモンの効き目にも影響を及ぼすことが知られている。
つまり、ゆっくり食事をすることで食べ過ぎによるエネルギー摂取過多を防ぐことができます。

今回の内容をまとめると、
エネルギー摂取とエネルギー消費のバランスを調節するためには
“食欲”をコントロールすることは必要不可欠なことです。
そのためには、
普段の食事の量・質の両方に注意し、
普段の食事のありかたそのものを考える必要があります。

参考文献

Myers, M. G., Cowley, M. A., & Münzberg, H. (2008). Mechanisms of leptin action and leptin resistance. Annu. Rev. Physiol., 70, 537-556.

寺田新 (2017) 『スポーツ栄養学』東京大学出版会

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