呼吸筋とは
1. 横隔膜
2. 肋間筋及び胸壁の筋
3. 腹筋
4. 呼吸補助筋
5. 上気道の筋
を総称して言われています。
中でも主要な役割を担っているのが、
横隔膜・肋間筋・腹筋群・斜角筋です。
呼吸補助筋として、
胸鎖乳突筋・僧帽筋・大小胸筋です。
また呼吸には自律神経が大きく関わっており、
吸気時には交感神経、呼気時には副交感神経(迷走神経)が大きく関わっています。
そのため、呼吸過多になると酸素過多になるだけではなく、
交感神経が優位になり、その状態が続くと自律神経のバランスが崩れる可能性があります。
今回はこれらの呼吸筋である横隔膜と肋間筋の役割などを説明していきます。
1. 横隔膜 (Diaphragm)
起始
胸骨部:剣状突起の内面
肋骨部:第7-12肋骨の内面
腰椎部:外側脚と第1-4腰椎にかけての内側脚
停止
腱中心部分
神経支配
支横隔神経と副横隔神経(C3-C5もしくはC6)
胸骨部と脚部で神経支配が異なります。
安静時の約70%は横隔膜で行われており、
横隔膜の主要な換気運動はピストン運動であり、胸郭の内面と接している起始部をzone of appositionと言います。
そしてこの横隔膜は左右で構造が異なります。
横隔膜の右側には肝臓があるため構造的に安定しており、呼吸を正しく行いやすい構造をしています。しかし、左側は右側に比べて筋自体も小さく、構造的支えとなる肝臓もありません。
そのため左の横隔膜が正しく機能しなくなってしまうことが多く見られます。
また、
そのため後壁にある筋群(大腰筋・小腰筋・腸骨筋・腰方形筋)の機能低下と大きく関わってきそうです。そして、これらの筋群は腰椎の伸展動作と大きく関連しているので、
腰痛の原因になりそうです。
腰痛患者では横隔膜のアブノーマルなポジションが多く見られるという研究データもあります。(Kolář et al., 2012)1
2. 内/外肋間筋(Internal/External intercostal)
内肋間筋
起始
第1-11肋骨(内側縁)・肋軟骨
停止
第2-12肋骨(下縁)
神経支配
肋間神経(T1-T11)
外肋間筋
起始
第1-11肋骨下縁と肋骨結節
停止
第2-12肋骨上縁
神経支配
肋間神経(T1-11)

外肋間筋と内肋間筋の前部線維は吸気筋であり、内肋間筋の横・後部線維は呼気筋です。
外肋間筋は外腹斜筋と筋走行は同じ方向で体幹の回旋・側屈にも働くとされています。
また、内肋間筋(横・後部)は内腹斜筋と筋走行は同じでこの筋も体幹の回旋と側屈にも働くとされています。
内外腹斜筋は体幹部や骨盤帯の安定にも大きく関わる筋であります。
逆に考えると内外肋間筋の機能を適切にすることができれば、内外腹斜筋の機能を向上できる可能性も出てきそうですね。
また、肋間筋の柔軟性は胸郭のエクササイズで向上できます。(渡辺ら, 2014)2

参考文献
1.
Kolář, P., Šulc, J., Kynčl, M., Šanda, J., Čakrt, O., Andel, R., … & Kobesová, A. (2012). Postural function of the diaphragm in persons with and without chronic low back pain. journal of orthopaedic & sports physical therapy, 42(4), 352-362.
2.
渡辺充, 長谷川聡, 中村雅俊, 梅垣雄心, 西下智, 小林拓也, & 市橋則明. (2014). 胸郭可動域トレーニングによる肋間筋の柔軟性および肺機能の即時変化―せん断波エラストグラフィー機能を用いた検討―. In 理学療法学 Supplement Vol. 41 Suppl. No. 2 (第 49 回日本理学療法学術大会 抄録集) (p. 0248). 公益社団法人 日本理学療法士協会.



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